20才〜50才くらいに良くみられる病気について

  1. 性器出血
  2. 生理不順
  3. 月経の量が多い、月経痛がひどい
  4. おなかが痛い
  5. おりものが多い、臭いがする

1.性器出血

生理以外の出血は通常ではみられないため、異常だと考えてください。 また、出血の性状で出血の部位や診断をすることはむずかしいので、 出血が2〜3日以上続いたり、30才以上の方は産婦人科受診をお勧めします。

  出血の部位 診断 出血の理由 治療の方法
1 子宮内腔 卵巣機能不全 子宮内腔からの出血の中で、頻度的にはホルモンのバランスが うまくいかなかった時による出血が多いですが、 4〜5日以上出血が続くときは診察を受けたほうがよいでしょう。 がん、その他でないことを確認して、 エストロゲンやプロゲステロンその他の止血剤を使用する。
子宮筋腫 普通は、月経時のみ症状がでます。月経時の出血が多い・痛みがひどいなどの訴えが多く、 月経が終わると症状はでません。しかし、筋腫のできている部位によっては月経以外にも出血します。 止血剤を投与し、無効なら手術の場合が多い。
排卵期出血 よく経験します。排卵時前後の一過性のエストロゲンの低下で出血しますが、2〜3日で自然止血します。 自然放置か、エストロゲンの投与。
子宮体がん 子宮の奥のほうにできるがんです。月経のある人より閉経婦人のほうがかかりやすいです。 しかし、若年婦人でも最近みられることもあり、出血が持続する場合は、 がんでないことを確かめるためにも診察をお勧めします。 まず、手術。がんの程度により温存方法もあり。
流産・切迫流産 妊娠に伴った出血です。たいていは、月経が2〜4週間遅れているはずです。 早めの受診をお勧めします。 赤ちゃんの状態による。
2 子宮口 子宮ちつ部びらん たいていの出血はこれです。ちつの粘膜と子宮の粘膜の移行部位にできます。粘膜が一部剥がれていてその部位から出血する。 自然に出血することもあるが、たいていは接触刺激(SEXなど)で出血します。 ちつの炎症を伴っていることが多く、ちつの消毒のみ(約1週間くらい)でたいてい治る。
子宮ちつ部ポリープ 産婦人科でいう「ポリープ」とは、これがほとんどです。 まったく無症状のこともありますが、SEX時に出血もみられます。 ポリープ切除。
子宮頚がん ごく初期の子宮頚がんは、出血などの自覚症状はまったくありません。 ある程度進むと、SEX時に出血してきますが、そのうちに自然に出血します。 30才以上のひとに多くみられますが、1年1回の子宮がん検診をお勧めします。 まず、手術。
3 ちつ ちつ炎 ちつの炎症でみられます。単なるちつ炎のこともありますが、性行為感染症でも多くみられます。 なお、閉経以降に出血した場合は、こちらを見てください。 ちつの消毒。
接触によるもの 極まれにみられます。  
4 尿道 尿道炎・膀胱炎など
(泌尿器によるもの)
産婦人科の出血では?と思って受診してもどうもなく、尿からの出血であったということはよくあることです。 軽いものなら、産婦人科でも対応できます。 抗生物質の投与。
5 肛門 痔核 「ぢ」の出血でもみられます。 軟膏や坐薬。

子宮ちつ部びらん・子宮頚がん・子宮ちつ部ポリープ・子宮体がん

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2.生理不順

生理以外の出血は通常ではみられないため、異常だと考えてください。 また、出血の性状で出血の部位や診断をすることはむずかしいので、 出血が2〜3日以上続いたり、30才以上の方は産婦人科受診をお勧めします。

1)正常の月経とは?

正常の月経とは、一般的にいうと、

正常月経
1 月経周期(menstrual cycle) 月経の第1日から次の月経開始の前日までの日数のこと。28〜30日。
2 月経持続(duration)日数 3〜5日
3 月経の量(menstrual flow) 50〜250gとされ、普通100g程度。
4 月経血の正常 暗赤色、流動性、弱アルカリ性。

正常の月経周期は、28〜30日とされていますが、月経不順(生理不順)とは、 だいたい10日以上の遅れや逆に早まったりする状態と考えてよいでしょう。

2)生理が不順になるのは?

生理がおこる部位は子宮ですが、生理をおこさせる指示をするのは、卵巣です。(さらに、卵巣は、脳からの支配を受けている。)
したがって、生理不順とは、「卵巣の働きがうまくいっていない」状態のことをいいます。

排卵のある人は、排卵と次の月経までの期間は約14日と一定です。
すなわち、周期の短い、長いは排卵までの期間に左右されます。

したがって、排卵がある人は月経がおこるし、排卵のない人は、月経がおこりません。

3)排卵があるか、どうしてわかるの?

卵巣の発育や尿中のホルモンの推移をみて、排卵がおこるかどうか判定しますが、 一般的には、基礎体温表(BBT)をみるとわかります。
BBTが2相性であると、排卵があります。

排卵があると、低温相と高温相の2相性になる。
排卵がなければ、1相性である。

4)生理不順のときはどうすれば良いの?

排卵がある場合と、排卵がない場合で方針が大きくわかれます。

1 排卵がある場合 周期が長い場合 一般的な決まりというものはありませんが、 BBTで2相性を示す場合、2ヶ月に1回生理がくるのであれば、そのまま様子を見てよいでしょう。
周期が短い場合 月に2回くらい生理がおこると、貧血になったり、いつも生理用品と離れることができなくなります。 そういう場合は、お薬を使って、生理の周期をコントロールすることができます。
2 排卵がない場合 卵巣ホルモンが、産生されていない状態ですので、排卵誘発剤を用いると生理不順がなおってきます。 これは、学生の人や比較的若い人にも行います。
3 不妊症の場合 排卵がない場合はもちろん、排卵があっても不順の人は治療の対象となります。

5)中学生や高校生でBBTが付けられない場合は?

なかなかBBTをつけるのは難しいことだと思います。学業に専念してください。 可能なら、BBTをつけてください。
2ヶ月に1回ペースの生理なら様子をみていて良いでしょう。 ただし、年に4回以下程度は、一度産婦人科で診察を受けてもらったほうが良いでしょう。

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3.月経の量が多い、月経痛がひどい

1)月経の量が多い(月経過多症)

「月経の量が多い」というのは、主観的な判断でおこなうので異常であるかないかを診断することは難しいことがあります。
異常であるかどうかは、ポイントは3つあります。

症状

  1. ほかの人と比べて、ナプキンの使用頻度が多くて、しかも使用期間も長い。
  2. 3〜4ヶ月前と比べて、だんだん生理の量が増えてきている。
  3. 貧血気味である。人から顔が白いと言われる。

月経痛と同じように、原因があるなしで大きく2つに分けられます。

症状 病名 対応方法
1 特発性
月経過多症
骨盤内に異常が見られない場合。 単なる月経過多
とみなす
1)様子観察
2)貧血がみられる→造血剤の内服
3)ピルの内服
2 続発性
月経過多症
骨盤内に異常がみられる場合。過多月経を伴うことが多いです。 年齢や子宮の大きさ・貧血の程度をみて治療方針が決まります。 子宮筋腫など 1)貧血がみられる→造血剤の内服
2)貧血が強い、子宮が大きい→手術
3)ホルモン療法

2)月経痛がひどい(月経困難症)

生理についてのトラブルは、外来受診をされる方のなかでも非常に多い訴えです。
この原因としては、大きく2つに分けて考えると良いでしょう。

生理痛・月経の量が多い原因

  1. 特発性月経困難症(単なる生理痛の場合で、骨盤内はまったく異常なし。)
  2. 続発性月経困難症(骨盤内に子宮またはまたは卵巣の異常がある場合。)

上のいずれにしても鎮痛剤でおさまりますが、鎮痛剤はあくまでも痛みのみを止めるだけのものです。 原因をつきとめて正しい対処の方法が必要となってきます。

    病名   対応方法
1 特発性月経困難症   骨盤内に異常がなくても生理痛がひどい方も結構おいでになります。
この場合は、お薬で生理痛を克服します。
1)鎮痛剤
2)ピルの内服
2 続発性月経困難症 子宮筋腫 過多月経を伴うことが多いです。年齢や子宮の大きさ・貧血の程度をみて治療方針が決まります。 1)鎮痛剤
2)手術
3)ホルモン療法
子宮内膜症 比較的若い人に多くみられます。卵巣に異常病変がみられることが多いです。また、不妊症の原因にもなります。 なるべく、手術は避ける方針ですが、場合によっては、手術をしなければならないこともあります。 1)鎮痛剤
2)ホルモン療法
3)手術

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4.おなかが痛い

単に「おなかが痛い」といっても、女性特有の痛みから、妊娠・分娩に関するもの、 生理と関連のあるものとそうでないもの、さまざまです。
妊娠に関連したもの、生理に関連したもので分けると考えやすいと思います。

1 妊娠に関連のあるもの 子宮外妊娠 いずれも妊娠初期の病気です。生理が遅れて、おなかが痛いときは、 早めに産婦人科受診を!
切迫流産
不全流産
2 生理中の痛み 子宮内膜症  
子宮筋腫  
3 生理以外の痛み 排卵日(生理開始後2週間)ころ 排卵痛 鎮痛剤投与
排卵日以降〜次の生理前 卵巣出血(黄体出血) 安静・鎮痛剤投与。場合によっては手術。
4 妊娠・生理と無関係 産婦人科疾患 卵巣腫瘍 強度の痛みならたいてい手術。
骨盤内炎症(クラミジアによるものなど) 抗生物質の点滴または内服。
消化器疾患 虫垂炎・下痢・便秘・癒着など 強い虫垂炎なら手術。
泌尿器科疾患 膀胱炎・腎盂腎炎など 初期なら抗生物質。

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5.おりものが多い、臭いがする

「おりもの」についての外来受診も結構多いものです。 しかしながら、実際人に見せることはないので、主観的な判断になります。
一般的に、異常なおりものとは、

  1. においを伴う
  2. かゆみがある
  3. 2〜3週間前と比べて異なる
    の時は、産婦人科受診をしたほうが良いでしょう。

1)ちつの自浄作用について

たとえは悪いですが、ちつの中は自動洗濯機と考えてください。

ちつ内のグリコーゲン単糖類乳酸に 変化して、ちつ内は清潔になる。

ところが、
ちつ内を洗浄しすぎると、デーデルライン桿菌が少なくなり、乳酸が作られない。

ちつ内の酸性度が保たれなくなる。

自浄作用が低下する。

ちつの炎症が起こりやすくなる。

したがって、正常の状態では、ちつは清潔に保たれる!!→ふだんは、きれいになるようになっている。

2)おりものの異常をきたす疾患

ちつに炎症(ばい菌感染症)がおこると、おりものの異常をきたします。

  疾患名 おりものの特徴 原因 治療
1 トリコモナスちつ炎 1)においをともなう
2)膿性、黄白色、泡状の分泌液
3)外陰掻痒感、灼熱感、排尿時痛をきたすことがある
おもにSEX ちつ錠の挿入と内服。ご主人(SEXパートナー)も内服をする
2 カンジダちつ炎 1)外陰の激しいかゆみ
2)白色、ヨーグルト様
3)においはしないことが多い
1)たまたまおこる
2)妊娠中
3)抗生物質の乱用
4)時に温泉
ちつ錠の挿入と軟膏
3 非特異性ちつ炎 白色〜黄色の分泌物 ちつ内の雑菌  
4 萎縮性ちつ炎 白色〜黄色の分泌物 卵巣機能の低下 女性ホルモンの内服またはちつ剤投与
 

萎縮性ちつ炎

卵巣機能が低下してくると、ちつ内のグリコーゲンが低下してくる→自浄作用が起こらなくなる→ちつ炎がおこる。
そのため、女性ホルモンの治療をおこなうとなおってきます。

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